もちづ記

1年おきぐらいで更新したい

就活に関して

はじめに

最近, G社へ入る方法や, 新卒800万が話題になっていますが, 世の中の大半はそれに該当しない筈です. そのため, おそらく中の下ぐらいのスペック (後述)を持つ者として, 就活の経緯を報告することは, 誰かしらの役に立つと考え, 本記事を執筆します. 記事の内容の信憑性は一切保証しません. また, 適宜修正追記する可能性があります.

そんなレベル高くない大学院の陰キャです. 同様のエントリを書く学生の皆様がよくスペックに挙げる "競プロ/Kaggle/未踏/技術書執筆/その他何らかの受賞経験" みたいなものは一切ないため, "市場価値の高い学生"ではないと思っています.

本来UI/UXに興味があり, 学部自体はUI/UXデザイナーやフロントエンドエンジニアを目指していました. しかし, 研究室配属以降, 人とコンピュータの関わり方を根本的に改善するための方法論自体を考え, プロダクトとして実装する研究開発的な業務に携わりたいと考えるようになり, それを軸として情報収拾を行っていました.
理想的には外資系ソフトウェア企業 e.g. Microsoft での研究開発業務に携わりたかったのですが, 語学力/技術力の問題から厳しいので, 将来的にそれらへの転職も想定できる, Web系や国内Webサービス, ソフトウェア企業も視野に入れていました.

現在は国内Web系企業A社の研究開発系業務のエンジニアとして内々定をいただき, 就活を終了しています. Webには個人サイト時代からネトゲ, ブログ, SNSと自分の10代を全て捧げたと言っていいほど依存してきたので, その業界に行くのは必然なのかもしれません

スペック

  • 学歴: 某高専 -> 大学編入 -> 同大学院修士課程 M1 情報系学科
  • 研究分野: HCI, 情報可視化
  • 研究実績: 国際会議 2本 (top confのposter, 2nd tierのpaper), 国内4件
  • 使用技術: C++, C# (WPF, Unity), Python, R, Ruby, JavaScript (jQuery, D3.js, Vue.js), PHP
  • 資格: TOEIC 700点台後半
  • 趣味: ドラえもんのイラストを描く, 音楽鑑賞

インターン

学部在籍時より, インターンは積極的に応募しました, 選考を通り, 実際に参加した1週間以上のインターンは以下の通りです. 本選考ではないため, 落ちてもあまりヘイトが募らないし (本選考より祈られた社数は多い), インターンに行ったことが就活時の精神的支柱になるため, 後輩の皆さんはドシドシ応募しましょう.

使用サービス

以下のようなサービスを情報収集やエントリーに活用してました.

サポーターズ

Web系就活生はみんな使ってそうなサービスですね. インターンや本選考の面談イベントが, 1日で複数企業とお話しできて業界研究もできるため, 非常に役立ちました. 面談イベントは参加で5000円とかもらえるので良いことづくめです. みなさん参加しましょう. また, 社員の皆様が大学まで来てくださる機会もあり, ランチをご馳走になれて有り難かったです.

逆求人 (ジースタイラス )

サポーターズとは若干違い, SIやソフトウェアメーカーも含めた様々な分野の企業さんがいらっしゃいます. イベント毎に顔ぶれが違うので, ハマれば得られるものは大きいです. 内定先の企業も, 逆求人で面談したことがうまく働いたと考えています.

キャリアセレクト

メンターの方が学生毎に割り当てられ, Facebookなどで頻繁に連絡してくれます. 就活の戦略やエントリーする企業群の選定においてお世話になりました. また, Web系企業については選考の仲介を行っていて, ESや一次面接が免除になるケースもあるそうです.

Wantedly

スタートアップや長期インターンの募集が多いため, 就活自体にはあまり使いませんでしたが, プロフィールをまとめてポートフォリオ的に活用してました. また, 近年では大企業や外資系企業も一部参入しているようです.

ONE CAREER

ESや選考フローを確認するために用いました. Web系企業の情報が豊富なのでオススメです.

Labbase

研究重視であり, 比較的大手企業からもスカウトが来るので院生で研究職志望の人には良いと思います.

ニクリーチ

タダ飯食べたくて登録しましたが, 交通費がつらくなったので1回しか行きませんでした...

LinkedIn

G社/A社/M社以外の, 新卒を大っぴらに募集していない外資系企業を視野に入れるなら必須だと思います. 登録してプロフィールを適当に記入し, 転職関心シグナル的なのをオンにすると意外とオファーが来ます. 興味があったオファーに対し, 「新卒だがエントリーできるか」という旨を伝えた上で, 向こうの了解が得られたらCVを渡し, 選考フローに入る形でした. やり取りは大体英語です. たまに理解しがたいオファーが来ます. e.g. ギリシャでコールセンター業務やりませんか?

外資就活ドットコム

意外とマイナーな外資系の情報があるので見ていました. 候補企業の新卒採用の有無をチェックするのにも役立ちました. 企業情報以外については, なんとなく意識高いので東京カレンダー的に楽しんでました.

みんしゅう

読みものとして電車の中とかで読んでました.

転職サービス (Indeedなど)

5年目/10年目社員の給与レンジや, 志望する業務内容が存在し, 求人として出ているか (=需要があるか), 要件となる技術スタックや経験など, 新卒の募集要項では明らかにならない情報を確認するのに用いました. 得られた情報は本選考での面談や逆質問で活用できるのでオススメです.

Vorkers

特定のサービスに登録すると無料で見れて, 情報量が多いので使っていました. ですが, 投稿者のプロファイル (退職済みか現役かや, 就労形態など)によって, 内容にバイアスは含まれるため, よく確認すべきです.

学術会議/テックカンファ

学会やテックカンファのスポンサーブースにいる企業は, 少なくともその領域に興味を持っていることはわかるので業界分析の参考になりました. JSAIとかだと長期インターンの青田刈りもしているっぽいですね. 僕は一切お声がかかりませんでした.

エントリーした企業

選考を受けた主な会社は以下の通りです. 社名は伏せてありますが, 個別に連絡頂ければ教えられます.

国内Web系 A社 (内定先)

ポータルサイトを運営している企業です. 扱っているサービス/データの規模が大きいことや, 研究開発における国際会議での発表実績が多く, 業界では珍しくHCI領域でのトップカンファ発表も行っていることから, エントリーを決めました.
フローは 技術者面談 (オンライン) -> コーディングテスト, 計数問題 -> プレゼン面接 -> 最終面接という形でした.
コーディングテストは比較的簡単なのから競プロの知識が必要なものまで, 何種類かありました. 計数問題は院試レベルのそんな難しくない内容です.
プレゼン面接は直前に行った国際会議の内容ベースで行い, 研究の概観を理解できるように図を多めに, ゆっくり話すことを心がけました.
ちなみに国際会議で某国に行った話はどの面接でも鉄板ネタになったので, 変な場所で開催される会議にはぜひ参加しましょう.

エントリーした中で一番自身のやりたい内容を理解してくれて, インターンや選考過程でお会いした社員さんの印象がとても良かったことから, 志望するキャリアパスが最も実現でき, 成長の可能性がある企業だと考え, 内々定を承諾いたしました.

国内Web系 B社

アドテクとかをやっている会社です. 面談イベントで知り合い, ES/一次面接免除の早期エントリーのお誘いが来たのと, オフィス環境が魅力的だったのでエントリーしました.
あまり自信がアドテクに興味がなかったこともあり, 二次面接では志望動機やマッチングについて結構詰められましたが, 通っていました. しかし3次面接でやっぱり落ちました.

国内Web系 C社

SNSをやってたり, ソシャゲを運用している会社です. 逆求人イベントで知り合い, 主催イベントに参加したところ社員さん達の印象が良かったのでエントリーしました. フローは人事面接 (免除) -> 技術面接 -> マネージャ面接 -> 役員面接だった気がします.
技術面接はコーディングでなく, データベース技術についての問題を投げられ, それについてディスカッションする形式で, 受けた企業の中でもかなり難易度の高い試験だったと思います. 冷や汗かきました.
最終の役員面接がA社の内定承諾期間ギリギリだったため, 面接の場で役員の方と今後のキャリアパスを含めて相談した結果, 研究をやりたいならA社に行くべきだという意見を頂き, 辞退することにしました.
人事の方も親身になって相談に乗ってくれて, 選考を通して一番印象が良かった企業です.

国内Web系 D社研究所

本社のエンジニア採用でなく, 研究所単体でも求人を出していて, HCI選考のマスター以上を以外の業務経験が要件としてなかったので応募しましたが落ちました. 受けた企業の中でコーディングテストが一番むずかった気がします.

国内ソフトウェア開発企業 E社

データ分析のためのソフトウェアを開発してる企業です. 業務内容が自身の研究に近位ことからエントリーしました.
面談では是非受けていただきたいとの評価でしたが, 1次面接で「人格面で弊社とマッチングしない」という理由で祈られました. 何故でしょう. 一次面接ではコーディング面接がありました.

外資系ソフトウェア開発企業 F社

RPAとかやってる会社です. LinkedIn経由でスカウトを頂き, 業務内容に興味を持ったのでエントリーしました. 面接は私服OKじゃない気配がしたので, 唯一スーツを着ました. 面接ではホワイトボードコーディングやアルゴリズムに関する口頭試問がありました. また, 英会話をする場面がありテンパりました. 外資系って感じですね.
入社後の待遇などは非常に魅力的でしたが, 職種がコンサル or サポートエンジニアに限定されるため, 新卒では現在最も興味を持っていることをやり切りたいと考え, 辞退しました.

外資系ソフトウェア開発企業 G社

データ分析用の可視化ツールをやっている会社です. LinkedIn経由でスカウトを頂きましたが, 新卒の募集はほとんどしておらず, 求人が出次第連絡するとのことでした. 自身の研究内容的にも非常にマッチしていて, 憧れていた企業ではあったため, 求人があった場合確実にエントリーはしていたと思います.

外資系ソフトウェア開発企業 H社

デザイン用のソフトウェア開発を行っている会社です. Wantedly経由でスカウトを頂きました. 高専在学時より憧れていた企業であり, スカウトが来た時は小躍りしました. しかし, 面談にて基本的に第二新卒以降での採用ということと, 開発エンジニアは国内だとリファラル採用が中心という旨を伺ったため, 別の機会でチャレンジしたいと思います.

雑感

よかったこと

エンジニア採用では, 華々しい実績がなくても, 想像より研究内容を評価してくれる印象があります. 逆に, 研究内容のウケが悪かったり, やりたいことと違う職種を面談で提示された企業に関しては, 選考を受けない選択ができました. どの会社も選考過程で自社とのマッチングを重視していると感じました. また, 生粋のコミュ障陰キャである私自身としては, その会社で毎日働くことになる以上, どんなに待遇が良くても少しでも悪い印象を受けた企業は受けるべきでは無いと感じました. メンタルが強ければ別に大丈夫だと思うので, 年収高いところに行けばいいと思います.

技術力に関しては, 情報科学修士レベルであれば, コーディング面接で切られることは無いと思います. おそらくESの段階で技術力でのフィルタリングは終わっていて, コンピュータサイエンスへの基礎的理解の能力や, 面接官とのディスカッションの能力を評価される感じだと思います.

つらかったこと

結果的にエントリーした企業数は少なかったですが, 業界分析やインターン選考, 面談を含めるとかなり足と時間は使ったと思います. また, 祈られた時のダメージは多く, だいぶ精神病みました. 就活には向いてないと思います. もう一回やるとすれば, 短期決戦になるよう心がけたいですね.
あと選考を辞退するのがつらかったです. 辞退したくないから受けなかった志望度高い企業もいくつかあります.

また, HCI関連の研究開発職は国内ではかなり需要が少なく, 研究テーマとしてのウケも良くないです (面談イベントで露骨にバカにされたりした). 口頭での説明のみの場合, 理解されないケースも多くありました. Web系の面接であれば, 動くデモを持ち込むのが良いと思います.
フロントエンドエンジニアや, データサイエンティスト志望だと解釈される場合も多かったです. しかし, 自身としては20代はやりたいことに費やしてもいいと感じています. そして, 大学院修了と同時に研究を中止するのではなく, 学業の延長線上に労働があることが理想であったため, 業務内容については妥協しないつもりで就活をしてきました. その辺は人それぞれだと思います.

オススメすること

  • 面談イベントには積極的に参加しましょう
  • インターンの参加経験は精神的支柱になるので, B3, M1では積極的に応募しましょう
  • 闇雲にエントリーするよりも, インターネッツを駆使して情報を集めるべき
  • 外資系の求人は意外とあるので, 諦めずに探してみましょう. LinkedInとか転職サイトは穴場です.
  • 何者でもないなら, 研究に打ち込みましょう
  • エンジニア就活ではウソをつく必要はなく, ついても深掘りされるので多分バレます. 自分程度の能力でも大丈夫だったので本当のことを話しましょう.
  • ガクチカや開発経験はどの面接でも問われるので, それらの経験をストーリーとして語れる準備はしておきましょう (エピソード集みたいな.mdファイルを作り, 面接ごとに適切そうなのを選んで喋っていました)
  • ワークライフバランスも, 重視するかで受ける企業群が変わると思うので良く考えましょう. (自身は重視しました)

おわりに

雑多な内容になってしまいましたが, どなたかの参考になれば幸いです.
質問などありましたらtwitter (@motttey)にDMください. 金がないのでウィッシュリストから何かください